「なあ、コウ?」 「あー、うん?」 さっきまでと打って変わってコウの声はどんよりと沈む。 「俺さ、コウのこと本気で好きなんだ」 「……」 「コウ。俺の彼女になってよ」 「……」 しばし無言のまま歩く。 その数十秒にはあっという間にコウの学校が門を開けて学生を迎え入れる場所へと到着してしまう。 「じゃあな。いってらっしゃい」 「うん。いってきます」