君を消したワタシ。君に消されたボク。


「じゃあやりますか」

頭が停止したままの私はナオくんが何を始めるのか予想できずただ固まったまま見ていた。

彼はそんな私を気にかけるでもなくしゃがみ、それから重たそうに立ち上がる。

「あ、本当にごめんなさい。大丈夫。自分でやりますから」

「なんで?一緒にやった方が早いじゃない?」

そう。

私とナオくんの出会いは学校の駐輪場。

その日は好きなアーティストのCD発売日だったため私は自転車で学校に来ていた。

その放課後、奥に止めてしまった自転車を出すのに失敗し、周りの自転車をなぎ倒したところにナオくんは現れたのだ。