君の瞳


「おっはよ〜蓮♪」

『はよ』

「なんだよテンションひっきーな」

『ちょっとな』

「俺さぁ、今日遥ちゃんに」

「れーん!およびだし!」

「…また蓮かよ!」

『今行く』


呼び出しは日常茶飯事。
得に嫌だとかでもなく、結構顔なんかは気になる。

性格良さそうで、顔がかわいければ付き合う。


今回の女の子は中の上だ。


「あの!柏木香澄っていいます」

『ん』

「えっと…あの…。」

『どうしたの?』

「すっ好きです!付き合って下さい!」


ここでいつもの俺なら返事を即答している。

でも今回は出来なかった。
頭の中になぜかいきなり遥ちゃんの顔がうかんだから。


『ごめん。今は無理』

「あっはい!全然!わざわざありがとうございました!」


香澄って子は走っていった。

俺のことを悩ます原因になるということを知らずに。