俺はいきなりとてつもないモテ期に入ってしまった。


へんなやつに好かれる。

確かに、ありさちゃんのあのメールは男ウケはいいかもしれない。

でも俺には効かない。逆に引く。そこは和人と同じだ。

俺たちはどこかズレている。逆にそれが助かっていたりするけど、俺たちの好みが被ってしまうのが問題だ。


問題と言えば、香澄。
どっからか、メアドを聞いてきそうで怖い。

さすがに綾は教えないと思うが、信用出来ない。あの話が演技だとも言い兼ねない。


そんなことを考えていると、またメールが来た。




遥ちゃんからだった。

〈いきなりメールごめんなさいちょっと話したいことあって…今日大丈夫ですか?〉

「誰からだ?」

『…親』

「親かよっ!学校いるときメールしてくんなよなあ」

『だな』

嘘…ついてしまった。
なんとなく知られたくなかった。

《俺は大丈夫だけど。》

〈じゃあ放課後、駅前のカフェに来てもらえませんか?〉

《わかった》


放課後会える。
話がなんなのかは分かっていた。
でも俺は内容なんてどうでもよかった。