「っ蓮君!」

カラオケを出た所で、ありさちゃんに呼び止められた。

『なに?』

「女の子?」

『なにが?』

「さっきの電話。今から会うんでしょ?」

『…関係なくね?』

「っあるよ!」

『なんで?』


俺はわかっていた。
この子がどんな気持ちでいるのか。
どんな目で俺を見ているのか。

でも聞いた。
きっぱりさせるために。

「…好きなの」

『…』

「好きなの!」

『…』

「どうして黙るの?確かに会って03日しかたってないけど、あたしは蓮君が好きなの!気持ちに嘘なんて付けないの!お願い…あたしと付き合って…?」

『…ごめん。急いでるから』

「待って!…行かないで…」

『ごめん。無理』



俺は最低な奴なのだろうか。
これが遥ちゃんなら、行かなかったのだろうか。