その日ネプチューンたち三人は、プルートのアジトにいた。任務がない時は、三人は雑用としてジュピターとヴィーナスの世話をする。

街から遠く離れた森の中。一見廃屋のように見えるこの場所は、ジュピターとヴィーナスが一番よく訪れる場所だ。

「それにしても退屈だわ〜」

爪にマニキュアを塗りながら、ヴィーナスがため息をつく。

「こちらの本を読むのはいかがですか?とてもおもしろいですよ」

ネプチューンは一冊の本をヴィーナスに見せる。暴力的な描写が多い残酷な拷問の話だ。本当はネプチューンはこんな本など好きではない。しかし、プルートのメンバーとしてうまくやっていくためには必要なのだ。

「ネプチューン先輩、こっちの方がおもしろいですよ!」

マーキュリーが、殺人鬼が村人を惨殺していく映画を手に取る。たしかに映像の方が迫力があるかもしれない。

しかし、ヴィーナスはため息をついた。

「ダメよ。そんな偽物じゃちっとも興奮しないわ!本物じゃないと…ね?」

妖艶な笑みを浮かべ、ヴィーナスは恐ろしい台詞を放つ。すると、近くで本を読んでいたジュピターがヴィーナスに言った。