「はぁ?言ったじゃねぇか」

「何を!」




覆っている所為で翔太の吐息が手のひらに直に触れる。

それが何だかこそばゆくて、甘い疼きとして背筋を駆け上ってくるから視線を落とした。







「――要は妬かない俺にヤキモキしてたんだろ?」

「っ、」

「好美が素直に詰め寄ってくれば言うつもりだったんだけど」


そこで口許にあるあたしの手のひらを引き剥がした翔太は、そのまま指同士を複雑に絡ませる。








その行動だけで死んじゃうんじゃないか、ってくらい早鐘を打つ心臓にどきまぎしていたあたしだったけれど、


「妬いてくれたの、とか可愛過ぎる台詞貰ったからもういいわ」







その言葉のあとに落とされた濃密過ぎる口付けに、もう完全にノックアウト。















- 彼女のヤキモキ事情 -
( ちなみに部長は翔太のオトモダチでした )