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「で、何でアンタが居るのよ。暇人なの?」

「……相変わらず辛辣な女だな」

「何か?」



ゴトン、テーブルに思い切り湯呑み茶碗を置いてやった。

その所為で零れてしまったお茶を敏速に拭き取る。それを目にした男が白い眼で此方を見ていたことには無視を決め込んだ。






「てか、父さんも母さんも居ないし…。人のこと呼んでおいて、どうなってんのよあの二人は」

「お前、おじさんたち泣くぞ……」

「いいのよ別に。てか何でアンタは此処にいるの?」

「(…こいつ……)」



はあ、と溜め息を吐き出した翔太に首を捻る。

暫く目を瞬かせてその動向を探っていれば。






「……好美」

「?なによ」

「お前、モテないだろ。折角顔立ちは美人の分類なのに、その性格じゃ男は寄ってこな――」



言わずもがな、あたし渾身のアッパーが奴の顎下にクリーンヒットした。