――――――――――――…




インターホンを耳にして腰を上げると、モニターに映る翔太の姿を認めた。

一瞬大きく胸が高鳴った気がする。

やっぱりずっと好きだった相手となんて、考えるだけで舞い上がる自分が居ることは事実。






「お疲れ、翔太」


玄関のドアを開けながらそう口にすると、些か疲労の色を滲ませた男は唇の端を持ち上げてみせる。

そして、


「――なんかいいな、それ」


なんて言葉を落としたかと思えば、そのまま自然な成り行きであたしの腰を手で引き寄せたから思わず息を詰めた。







「ただいま、好美」


低い声音でそう口にした翔太には小さい頃の面影が無く、もうすっかり成熟した人間なんだと。

そう、無意識の内に認めてしまうくらい大人の男だと感じた。














「先にお風呂入ってもらってもいい?」

「……いいのか?」



夕食はその間に温めておけばいいか、なんて頭の中で思考を組み立てながら言葉にした。

それに対する疑問の意味が分からず隣の男を見上げると、







「それって俺、泊まっても良いって意味に捉えるけど」