それを目の当りにして、釣られるように驚くあたし。





「好ちゃん…!ごめん、あたしったら気がつかなくて!」

「……お、おばさ――」


良かった、常識の通じる人が居た。

そんな思いと共に言葉を紡ぎ出したあたしだったが、次の瞬間には希望が打ち砕かれることになる。





「翔!」

「?なんだよ」

「好ちゃんはつい最近まで沢山彼氏が居たんだよ?だから、その人たちとお別れする時間が欲しいのよきっと!!」



「(…、えー……)」





違う違う、違うよおばさん!

そんな意味を込めて目一杯首を横に振ってみたけれど、独特の見解を述べる彼女は気付かない。


…ていうか翔太も気付かない。





だから、


「ちっがーう!!あたしは今フリーだからその心配は要らないの!」





ガタン!と音を響かせて椅子から立ち上がりそう声を張り上げると、意表を突かれたような表情で此方を見据える三人が居て。

思わず一息吐き出すと、堰を切ったように言葉が口を衝いて出てきた。