腑に落ちない表情をしながら
車に乗り込んだ副社長は
外の景色ばかり見つめていた。
紫苑「どうされました?
気乗りしませんか?」
ここには運転手もいる。
2人きりではない。
だから、いつも通り敬語にしたのに...
悠真「何でロボットに戻るんだよ。」
副社長は不貞腐れた。
本当に厄介だ。運転手と言えど
一応は我が社の人間。
ここでイメージは壊したくないけど
仕方ない。不貞腐れたらこの人は
子供のように駄々をこねる。
紫苑「言いたい事があるなら言いな。」
突然、副社長に対して
タメ口を使い始めた私の事を
運転手は一瞬だけ
バックミラーで確認した。
だから、私もバッチリ目を合わせ
微笑みながら会釈しておいた。



