紫苑「あの、副社長。
1分だけ、お時間頂けませんか?
寄りたい所があるんです。」
悠真「ミスしておいて
随分と図々しいな。」
紫苑「ミスしたからこそです!
お願いします!1分でいいので。」
悠真「好きにすれば。」
飯島会長の接待には何度か
同席した事がある。
ほとんど話した事はないけど
好みはちゃんと覚えている。
老舗の和菓子屋に車を停め
約束通り1分で戻ると副社長は
舌打ちした。
悠真「手土産も用意してねぇなんて
本当、使えねぇな。あんた。」
紫苑「申し訳ありません。」
正論すぎて何にも言えなくて
それから、ずっと黙っていた。



