悠真「よう、坊主。」

男の子「悠真くん!」

副社長の顔を見るとさっきまで
暗かったその子の表情が
みるみるうちに笑顔になる。

男の子「一緒に遊ぼ!」

いいぞっと言った副社長は
私にスーツの上着を手渡すと
幼稚園児と一緒になって
泥だらけになりながら
泥団子を作り始めた。

私はそれをベンチに座りながら眺めていた。

波長が合うのか子供たちは
副社長を取り囲み皆が
楽しそうに笑っていた。

初めはまばらだった子供たちが
どんどんと集まり
いつの間にかそこには
人集りが出来ていた。