悠真「随分と自分に酔ってるんだな。」

確かな事は
今、目の前にいるこの人の事は
24歳の男の人だと言う事だ。

悠真「当たり前だろ。
完璧な人間なんていねぇっての。
皆が皆、初めから
その距離感を知ってる訳じゃない。
失敗して何度も試して
ようやく正解を見つけるんだよ。」

紫苑「でも、副社長だけは
出会った時からここにいたよ。」

私が心臓辺りを押さえると
副社長は意味深に微笑んだ。

紫苑「すっごく遠い所にいると思ったら
空も飛べるくらいジャンプしてここにいた。
初めから距離なんてなかったよ。」

悠真「思いっきりジャンプしたからな。」

紫苑「飛び込んで良かったなあ。
副社長となら知らない景色を
沢山、見られる気がする。」