「 お母さんを突然、あんな形で亡くして…シンは自分で命を絶つことだけは 許せなかったんだろうね。」
「 そっか……。そんな…ことが。」
いつものシンからは 想像できない……影。
「 それから……、やっぱ…いいです。」
「それから……?何? いいよ。話して。」
「 ………シンと関係があったのは その日の朝。
ごめんなさい。こんなこと言って。
私が……シンに頼んだの。
その時、1度だけの関係を。
“ 抱いてくれなきゃ 死ぬ ” って。」
「 ………1度だけ…って。(苦笑) 」
「 私………サイテ―だよね。
シャークの子供が出来て……また不安になって、
シンに甘えようとしてた。
シンなら、また私のワガママを聞いてくれるんじゃないかって……。
勝手な女だよね。
ホント。自分で自分が わからない時がある。」
私は、カオリちゃんの切なさに 他人事なのに、苦しくなる。
「 カオリちゃん、不安なの?
好きな人の子じゃないの?」
「 わからない……。何でだろう。
シャークのことが 大好きなのに……。」
カオリちゃんは またツワリの波が来たのか、
“ 大丈夫だから…”と言って、洗面台の前にしゃがみ込んだ。
私は、うずくまるカオリちゃんに そっと手を伸ばして自分も しゃがんだ。
「 大丈夫。………心配ないよ。」
カオリちゃんは膝に顔を埋めて 涙声で呟く。
「 しばらく…こうしていて くれますか? 」
彼女の背中を抱くと シンとは別の香水の香りがした。
「 ……うん。大丈夫。
安心して、産みなよ。 今、少しだけ……
優しくされることに 恋しくなってるだけだよ。
男の人って……なんだか自由だし……
こっちは不安になる。」
「 シンが……好きになった人と話せて よかった。」
膝に顔を埋めたままの カオリちゃんの表情は わからないけれど、泣きながら少し笑ってくれたように思う。
「 私も カオリちゃんと話せて よかった。
シンのこと……少しでも 知ることが出来た。
私、カオリちゃんほど シンのことを知らないから……。
同じ……だよ。
不安になる。(笑) 愛されてるのか……不安になる時がある。」
「 (笑) ありがとう。」
カオリちゃんは、吐き気が治まったのか 胸を押さえながら 顔を上げた。
「 シンは……優しい。
私は、シャークのことが好きだけど……
ずっと、 シンに恋してた。
もしかしたら……
今も。(笑)」
「 ……うん。」
「 1度きりは、………ズルいよ。
私は、いつも シンを 待ってた。
それなのに………シャークの ところへ 戻れって、
そればっかり。」
「 は……ははっ。(苦笑)
マジで。 死刑っ!!
それで…ルームシェアは無しだよ。」
「 そう…。なのに、皆 シンのことが好きになる。
シンは……勝手で、自由で……
すごく 優しい人。」
「 (笑) 今、きっと……変な くしゃみ してる。」
「 (笑) うん。」
私たちは、顔を見合わせて 笑った。
「 そっか……。そんな…ことが。」
いつものシンからは 想像できない……影。
「 それから……、やっぱ…いいです。」
「それから……?何? いいよ。話して。」
「 ………シンと関係があったのは その日の朝。
ごめんなさい。こんなこと言って。
私が……シンに頼んだの。
その時、1度だけの関係を。
“ 抱いてくれなきゃ 死ぬ ” って。」
「 ………1度だけ…って。(苦笑) 」
「 私………サイテ―だよね。
シャークの子供が出来て……また不安になって、
シンに甘えようとしてた。
シンなら、また私のワガママを聞いてくれるんじゃないかって……。
勝手な女だよね。
ホント。自分で自分が わからない時がある。」
私は、カオリちゃんの切なさに 他人事なのに、苦しくなる。
「 カオリちゃん、不安なの?
好きな人の子じゃないの?」
「 わからない……。何でだろう。
シャークのことが 大好きなのに……。」
カオリちゃんは またツワリの波が来たのか、
“ 大丈夫だから…”と言って、洗面台の前にしゃがみ込んだ。
私は、うずくまるカオリちゃんに そっと手を伸ばして自分も しゃがんだ。
「 大丈夫。………心配ないよ。」
カオリちゃんは膝に顔を埋めて 涙声で呟く。
「 しばらく…こうしていて くれますか? 」
彼女の背中を抱くと シンとは別の香水の香りがした。
「 ……うん。大丈夫。
安心して、産みなよ。 今、少しだけ……
優しくされることに 恋しくなってるだけだよ。
男の人って……なんだか自由だし……
こっちは不安になる。」
「 シンが……好きになった人と話せて よかった。」
膝に顔を埋めたままの カオリちゃんの表情は わからないけれど、泣きながら少し笑ってくれたように思う。
「 私も カオリちゃんと話せて よかった。
シンのこと……少しでも 知ることが出来た。
私、カオリちゃんほど シンのことを知らないから……。
同じ……だよ。
不安になる。(笑) 愛されてるのか……不安になる時がある。」
「 (笑) ありがとう。」
カオリちゃんは、吐き気が治まったのか 胸を押さえながら 顔を上げた。
「 シンは……優しい。
私は、シャークのことが好きだけど……
ずっと、 シンに恋してた。
もしかしたら……
今も。(笑)」
「 ……うん。」
「 1度きりは、………ズルいよ。
私は、いつも シンを 待ってた。
それなのに………シャークの ところへ 戻れって、
そればっかり。」
「 は……ははっ。(苦笑)
マジで。 死刑っ!!
それで…ルームシェアは無しだよ。」
「 そう…。なのに、皆 シンのことが好きになる。
シンは……勝手で、自由で……
すごく 優しい人。」
「 (笑) 今、きっと……変な くしゃみ してる。」
「 (笑) うん。」
私たちは、顔を見合わせて 笑った。


