「 BIGな4人の一人だよ。(笑) 」

「 才能が有りすぎて……一緒にバンドを組めなかったっていう……。

確かに 才能同士がぶつかると、まとまりませんもんね。
力が有りすぎて……。」

アイちゃんが、わかったような口をきく。

「 ……はははっ(笑)

それは、どうかな。

誰かが、カッコよくそう言っただけだよ(笑)

本当は……。」

「 ………………ん? 」

「 ……えっ? 違うんですか?」

私とアイちゃんが……小川さんの顔を 興味しんしんでのぞき込んだせいか、

「 おいおい、無駄話……多いなぁ~。
仕事、仕事。

てか……その写真は 新しくなったBIG4に飾ることにするよ。

何せ、今回のリフォーム……

全額 DNAーカクテルからの寄付だからな。

あいつら、デカイのに ここを建て替える勢いで いたけど、そうはさせねぇ。

骨組みは、残しておきたいからな。

僕ら4人が造ったBIG4だっ!! (笑) 」

「 (笑) そうですね。それに……BIG4は、この小さいところがいいんです。」

「 そう、そう。この小さいところが…… 」

「 うるさいっ!小娘。 BIGだっつーの。」

「 (笑) 」

「 (笑) 」

「 ……で、さっきの続きは?
何で、BIGな4人は 一緒に活動しなかったの?」

「 4人でバンド組んでたら…今頃 、小川さん ここにいなかったかもっ!」

小川さんは、懐かしそうに遠くを見る。

ホールに向かう 登り階段を見つめて……そっと壁に手を当てる。

優しく撫でる。

BIG4の色褪せた 壁紙。


「 みんな……3人とも、

ルナちゃんが 好きだった。」

「 ………………。」

「 ………………。」

「 ただ、それだけだよ。」


私とアイちゃんは、同じタイミングで笑った。

「 ステキっ♡ 」

「 カッコいいっ♡」

「 そういうの……好き。」

「 人間だもの~♡ 」


「 …ん?!!……だぁ~からぁー。仕事しろって~。

うちのスタッフは歴代…仕事しねぇやつらばっかで困るってぇ!

しゃべってばっかぁーーーー!!」

「 は~い♡」

「は~~~い。あっ!でも…小川さん、お昼まだなんじゃないですか?

“ オーガニック・GARDEN ” 注文しときます?」

「 ………ん~~。そうだな。」

「 私、電話します♡(ニッ) 」

得意のおねだりの笑顔☆

「 ……わかったよ。 お前らも好きなの注文しろっ!」

「 やったぁーー!!」

「 僕、カラアゲ弁当なっ。」

「 (大) ですよね。」

「 私、冷やし中華。」

「 ………?! アイちゃん?何それ。
弁当屋だよ。出前じゃないんだから…(笑) 」

「 ハナ知らないの? あるよ。
冷やし中華。 」

「 何で………? 」

「 知らないけどあるよ。(笑) 」

「 ……じゃ、私も 冷やし中華で。」


「 うちのスタッフときたら……歴代……(笑) 」

小川さんは……肩で お手上げポーズを作ると、煙草に火をつけた。


仕事………進まねぇ~。

引っ越し、やべ~。


今日も、BIG4は 徒然なるままに………。




ここは、私の居場所。

ここは、私たちの帰る場所。

徒然なるままに、時は流れて……

お気に入りの 曲が、今日も流れる。


ー 完 ー