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シンは しばらく……茫然として座ったベンチで いくつかの 着信音を無視した。

三度目ぐらいに鳴った その音に はっとしたのは、隣に座ったカップルが あまりにも幸せそうだったから。

「 ……はい…… 」

声がうわずる。

立ち上がって スマホを耳に当てながら…パーカーのフードを深く被る。

「 シンっ! もうっ……。やっと出たぁ~。
もしもし~? 紗奈と 会えた?」

「 ……鈴ちゃん。」

「 紗奈にさぁ~ 何度も連絡するけど、LINEの既読もないし…電話も繋がらないしっ…… 」

「 ……あ…うん……まぁ……。」

「 テンション 低っ⤵⤵
……あ…てかっ、私かっ!? ごめんっ!
邪魔してる? もしかして……。」

「 (笑) ……鈴ちゃん、元気そうで……よかった。」

「 うん……。なんとかね……生きてる。
どんなに 悲しくても、辛くても……私は 生かされてる。」

「 ……うん。そうだね、生かされてる。
つい この間の事なのに、遠い昔のようだよ。
また、会いたいよ。 BIG4で……。」

「 うん。 すごく会いたい。(笑)

……で、紗奈は?

私、すごーくお節介だと思うんだけど、心配で……。

本当は、一緒に 着いて行ってあげれば よかった……って 紗奈を見送った後に、後悔で。

身体……きっと 無理してるんじゃないかなって。

こんなに心配してるのにっ!

既読も着信も無視でしょぉーーーーっ。 全くっ!」

「 あのさぁ……鈴ちゃん、 別れた。」

「 あぁーーーーはっ……そう。 …………えっ?! 」

「 てか……今、さっき…紗奈と別れた。
…………別れ話 してた。」

「 はぁ~~はぁっ? なっ…何でっ!」

「 ……何でって、そんなの俺の方が…… 」

「 最っ底ーーー。はぁ~?
ひどいよ……シン、それでも…男? 腐ってるわっ!」

「 ………………。てか……何で、俺が…よ。
わっかんねぇよ。
一方的に フラれたの 俺の方だし……。」

「 嘘。嘘だよ……。そんなの……。」

「 紗奈……どっか悪いの?
心配…って、身体 どうかした?」

「 どういう事……。 ねぇ?
もしかして、聞いてないの……?」

「 紗奈……どこか 具合悪いの?」

「 何で…?信じられない バカだね。 2人とも、バカすぎだね。

お願い……シン。

紗奈の傍に……いてあげてよ。」