No border ~雨も月も…君との距離も~

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気づくと店には ashのメンバーだけが残っていた。

「 カラオケ行く人ーーーー♪ 」のミナトさんの一声で、途中…民族移動があったらしい。

このビルの隣…。

入れ替わりに、シンをカラオケに誘いにやってくる スタッフを振りきって…シンは日本酒の瓶と、にらめっこ…が やめられない。

「 シン君…もう、帰りましょうって…。
僕、送りますからっ。」

タクが カウンターにうつ伏せているシンの身体を揺する。

「 あ“ん?! お前こそ…早く帰れよ。
鈴ちゃん、困ってるやん……。」

シンは目を閉じたまま、まだグラスに手を伸ばす。

「 オイッ! シンっ。 もう、止めとけっ!!
タク、いいよ。 俺 コイツ、連れてっから…… 」

タケルが シンのグラスを取り上げる。

「 ホラっ! シンっ。立てっつーの。
飲みすぎじゃっ!」

「 飲んでねーよっ…… 」

「 飲んでるわぁーー。」

「 酔ってないっ……ふっ…ははっ(笑) 」

「 酔ってるわいっ! 笑うなっ。アホかぁ~!
立て、コラッ。」

シンとタケルは、日本酒の瓶の取り合いになる。

「 戻ったと思ったら 日本酒、がぶ飲みやし。
……ったくよぉ~。
明日、お前…雑誌の取材 入っとるんちゃうんかいっ!」

「 …………ん…ん? そ…だっけ?」

「 だぁっ!!そ…だっけ?じゃねよっ。この、酔っ払い。 明日、顔 ひどいぞっ!」

「 リーダー♡ 置いとけば? この子。」

ジェイが、シンの隣に腰掛ける。

「 私。 いただいとくからっ♡ 」

その声に、カウンターチェアから そそくさと立ち上がるシンのシャツを、ジェイが笑いながら摘まむ。

「 ……お、俺 やっぱ帰るっ…(苦笑) 」

「 シャラープッ!! リーダーっ。
この子、そこのソファー席に 転がしてっ♡剥いじゃって~♡」

「 (泣) 無理、無理、帰るっーー(苦笑) 」

「 やかましいわぁっ。このヘタレっ!!
あんな、可愛い子……鬼にしちゃうなんて、サイテーよっ! アンタが悪いっ。
大概……白黒つかない 男の態度が こういう、くだらない事態を 作り出すのよぉ~!」

「 …………。すみません…(困) 」

「 なっちゃんもなっちゃんよ、どこがいいのよ…こんなヘタレっ!!」

ジェイは、シンの鼻先に顔を寄せて マジマジと見る。