「 いやぁ…あの、そういうの…好きですけど…(苦笑) 今、本当 急いでて……。」

「 私っ!!
あのCMの撮影で 初めてashの曲を聞いて…ホントに すごく感動して……
シン君の 歌に鳥肌が立って、絶対に この人たち売れるって…… 」

ラムは 吸い込まれそうなほどの大きな瞳で、シンを見つめる。

「 いつか また会いたくて、それで…辞めようかと迷っていた モデルの仕事、続けようって思ったんです。シン君に会いたくて 頑張ってこれたんです!
有名になったら、また いつか会えるんじゃないかって……。」

「 俺なんか……そんな…。 恐縮です(笑) 」

「 私にとって、あのCMでの共演は 運命なんです!」

「 それって スゴいなぁ~(笑) 」

ミナトは ワザと大袈裟に驚いてみせる。

「 ホントにホント。 運命なんですって…。」

「 (笑)ぜひ、ライブに遊びに来てください。
あっ…それ、ペアのチケットなんで 友達とか彼氏とかと、一緒に…。」

「 …信じらんない。こんなに早く 会えるなんて、やっぱり…運命です。
夢…だったんです。 泣きそう… 」

「 ちーちゃい夢やなぁ~。
シンぐらい、な~んぼでも会わせたるでぇって言ってたやんかぁ~(笑) 」

「 嘘だと思ってました。(笑)ミナトさんって、かなり胡散臭いんで……」

「 アホかぁ~?どこが、胡散臭いんよぉ~(苦笑)めっちゃ、好青年やわっ! 俺っ。」

「 ラムちゃん、言うね~(笑) 当たってるっ!(笑)
……って、ことで……俺、急ぎの……」

シンは、すでに閉まってしまった、エレベーターのボタンに、スキを見て…手を伸ばす。