一応、高校には入学試験を受けて入っている。



しかも、まあまあレベルの高い高校だからお母さんもお父さんもそれはそれは嬉しそうに近所の人にふれて回っていた。



それなのに、高校二年生になった時に『あること』をきっかけにわたしは学校に行くのを辞めた。



いや、行けなくなった。



せっかくヨリと同じ高校で過ごしていたのに。



付き合ったのに。



わたしが学校を何日か休んだ時、お母さんはずいぶん怒った。



しまいには仕事に出かける直前のお父さんまで説得しにかかる始末だった。



その時の言葉は今でも覚えている。



「あんたが家から出ないのを近所の人が知ったらどうするのよ!

今はまだインフルエンザで誤魔化しているけれど、これから先、なんて顔向けすればいいの!」



なんて言い草だと思った。



自分の娘よりも近所の目を気にするなんて。



ばかばかしくなってその日からわたしは学校に行く気を綺麗さっぱり捨てた。