なのにわたしは。



ひとりで生きたくてもまだまだ子供だから何も出来ない。



家だって借りられないし、転校も、仕事も出来ない。



全ての大人が羨ましい。



どんな生き方であれ。



とにかくひとりで生きていけることが無性に羨ましくて仕方がない。



インターホンが鳴る。



この時間は、ヨリしかいない。



沈んだ気持ちが引き揚げられる。



ドアを開けると、やっぱり立っている。



ああ、好きだな。



「おはよう」



「おはよ。あれ?ソラの母さんは?」



「もう仕事に行ったよ」



「いつもの対応楽しみにしてたのに」



「ああ、ヨリのお母さんにうちの噂流されているからヨリと会うとちょっと挙動不審なんだよね」



一緒になって笑う。



自分の親をこうやって馬鹿にするわたしは、悪い子なのか。



「ちょっとどころじゃねえよ」



「分かっているよ、相当焦ってるから。

いつもよりワントーン、必ず声が高くなるんだよ」