今日もすっきり目覚める。



夜は眠れないのに。



カーテンを開ける時、いつも有りもしない、出来もしないことを考える。



もしも今日、わたしが学校に行けたなら。



もしも今日、ヨリともう一度付き合えたなら。



もしも今日、眠れたなら。



「何考えてるんだろ……」



馬鹿みたいなルーティン。



ただの自意識過剰な妄想のくせに。



着替えて下に降りると、お母さんはもう仕事に出た後だった。



いつもは窮屈で忙しない食卓が広いことに戸惑いと喜びを覚えた。



食パンを取り出してトーストする。



コーヒーは面倒くさいから作らない。



ニュースをぼんやりと見ていると、間抜けな音が部屋中に響く。



キッチンで立ったまま食べる。



あのテレビに映るアナウンサーはきっと誰にも頼らずに生きていける。



大人だし、仕事もしているし、真っ当な生き方をしてきた人なのだろう。