「迷惑とか…そんなこと…」
「翔子さん?」
「迷惑とかそんなこと全然おもってませんっ!
逆に私がいきたいから…
輝くんと少しでも多く喋りたいから
いつも教室まであいにいくんですっ!!」
「えっ?」
「好きな人と多く喋りたいと思うのは
普通ですよ!」
「へっ?」
心臓の鼓動が一気にはやくなっていくのをかんじた
音がきこえていないか心配になってくる
「今僕の脳内がパニック状態です翔子さん!
さきほどの発言は恋愛系の好きとうけとっていいんですか?」
「もちろん。それ以外になにもありませんよ」
「僕、翔子さんにつり合うようなイケメンじゃないし、おまけに低身長ですよ?」
「そんなこと気にしてるんですか?
私は全然そんなこといっかいもおもったことないしイケメンとかそんな概念しりません。」
翔子さんの発言に僕のが口をパクパクさせていると彼女は顔を真っ赤にしながら喋り出した
「輝くんは私とつり合わないと本気でおもっているの?」
「そりゃもう…だって翔子さんは学校の華だし中の下の僕となんか…」
「そうなのね…」
彼女は僕の言葉を受け止めているようだった
「桜が咲く前のある日、少女は塾で受けた模試の結果がわるくてとても落ち込んでいました。」
「そうなんですか…」
少女とは翔子さんのことであるだろう
どうやら小説風に話していくらしい
「家に真っ直ぐ帰る気にもなれず遠回りしてかえることにした少女は初めて商店街というものに入ります。ぶらぶらと1人歩いていると商店街の中心部分に古本屋さんがありました。」
「それが…ここだったんですね」
そう。といわんばかりの笑顔でまた喋り始めた
「店の中を覗いてみると1人の少年がおりました。」
「……僕のことですね(笑)」
「その少年は本をならべていました。
少女は店の中をもっとみたいと思い中へ入って行きました。本棚をみてみると至る所に手描きのPOPがはってありました。」
「……」
「POPの内容をみるとあらビックリ!
店主でもない少年がおすすめの本を紹介したり、季節の本、恋愛本、こんな気分の時にみたい本。色んな内容のものを一つ一つ丁寧にわかりやすくかいてお客さんが探しやすいような本棚の並べにしているではありませんか」
「よくみてますね…」
「少女はおもいきって少年に話しかけることにしました。お話をして行くうちに、ここのほんの並べは少年1人でやったとのことでした。
初めて会った少女にでも伝わってくる少年の本への熱意に感激をうけました。」
「翔子さん…」
「本1冊1冊を我が子のように大切に扱い、何度も何度も読み、1冊1冊の個性をちゃんと導き出してくれる一生懸命な少年に少女は恋におちてしまいました