一人になった私は昨日買った弁当を持ってななせたちとは逆の方向へ歩き途中で見つけた滝が見えるベンチで一人ご飯を食べていた。

「なんで、あんなこと先生したんだろ…」
と呟く。

「それはだな」

と先生の声。

「えっ、なんでいるの?」

「お前、そんなに気にしているのか?」

「当たり前じゃん。だって、こんなの少女漫画よりもドロドロしているじゃん」

「まあな、でもこれもいい思い出として置いとけよ」

「まぁ、うん」

「それと、このこと、ほかの人に言ったらダメだよ」

「わかってるよ。内緒でしょ」

「これ、バレたら俺もお前も学校にいられないからな。それだけ禁断だってこと」

「なんか、ドキドキするね」

「今日の夜も楽しみだな」

「うん」

「ほんとに、のめりこむなよ。それだけ心配だ」

「大丈夫だって。」

「じゃあ、夜楽しみたいなら、午後からも頑張ろう」

「うん!あっ、そういえばね」

「なに?」

「昨日、ああやってくれた時、ドキドキして照れた」

「そうか。よかった。お前の反応している声がかわいかったな」
「まあ、そんなことより、もうすぐ始まるし、戻ろうぜ」

「うん!」
そう、先生は座っていたベンチから立ち上がり
んっ
と手を差し伸べてくれた。
先生の大きい手に私の手が包み込まれ立ち上がる。

さあ、午後の研修がんばろっと小さく声に出し元来た道を引き返した。