ドンッ。

誰かにぶつかった。

「ねえ、なんかに今ぶつかったんだけど。」

ある2人の女子生徒の片方が言う。

彼女たちの視線は私にある。

「ドクダミ。」

彼女はそう言った。


ドクダミとは。

私のあだ名だ。

陰に隠れて、ひっそりと生きているが、ある時は異様な異臭とともに存在感を出すからだ。

私は、教室の隅にひっそりと座り、気配を消しているが、身長が高いせいか、立ち上がるとかなりの迫力が出てしまう。

別に身長が高いことを恨んだりしてない。

むしろ、嬉しいぐらいだ。

なぜなら、私には身長が武器となる職業に就きたいから。

私の夢は、『パリコレモデル』だ。

だから、正直恨んでいるのは、私のこの性格だ。

シャイで、陰キャ、おまけに背が高く、長い黒髪。

この4つの要素のおかげで、15年間友達ができたことがない。

私は、変わりたい。

強くなりたい。