働き方は人それぞれだ。
でも今月１番になるとはるなに宣戦布告した。
はるなとわたしの成績は団栗の背比べ。でも、いつかもっと大きな壁を乗り越えなければいけないとするのなら、はるなだって越えなければいけないんだ。

‘夕陽が解けない魔法を使って、ずっと俺に夢を見させてよ’

光の言葉の本当の意味さえくみ取ってあげることが出来なくて
間違いだらけの道を歩き続けてしまっていたよ。
光の本当の夢を、わたしは叶えてあげることが出来なかった。

胸に光る羽根のネックレスはふたりの想いを乗せて、切ない夜を何度も超えてきた。


「もしもし～！安川さん～？！本当に今日来てくれるの？
最近来すぎじゃない？嬉しいんですけどっ…。
無理しないでくださいよ…？」

仕事が始まる前のホールで安川から電話がかかってきた。
安川は社長でもないただのサラリーマン。無理をかけることはなかったが、週に１回は必ず顔を出してくれた。

「無理させろよ～」

電話を切った後、わたしの頭を小突くのは高橋だった。

「高橋くんっ。おはよう！
安川さんは普通のサラリーマンだから無理はさせれないよ。
それに今日は小笠原さんも石田さんも来てくれるし…」

「ふーん。
じゃあ小笠原さんと石田さん優先で付け回しするな」

「高橋くん…お客さんは平等だよ…？」