車に乗って数分。
光はアイスコーヒーを飲みながら「似合うよ、その髪」と言った。
「あ、ありがとうございます」
「敬語やめてよ。仕事中じゃないんだから。
髪も似合うし、そのワンピースもすごく似合う。さくらはどんどん綺麗になっていくな」
そうやって、自然に褒める言葉がよくもまぁ口からぽんぽんと出るものだ。
でもそれに喜んでいる自分もいて、顔が赤いのを知られないように窓に顔を向けて、外の景色を眺めていた。
「社長は…」
「だから会社じゃないんだから社長ってやめろよ~!
こんな綺麗な子連れて、社長とか呼ばれてたら俺なんか悪いことしてるおじさんみたいじゃんか~」
「だって社長は社長だし」
「光って呼んでよ。お店以外ではさ」
「ひ、かる?」
自分で言って、恥ずかしくなってしまう。
「そうそうもう1回呼んでみて~」
「光……」
「おっけぇ!夕陽!」
夕陽………。
突然呼ばれた本名にびっくりする。
ただでさえここ最近ずっとさくらと皆から呼ばれていたし、夜の世界ではお互いを本名で呼び合ったりしないし、女の子同士本名も言い合ったりしない。
それにわたしは夕陽という本名でお店に出ていたら何も仕事が出来ていなかったと思う。
仕事をしている時はあたしはさくらだから、と言い聞かせていた。そうしたら本当の自分より強くなれる気もしたし、弱くてどうしようもない自分を武装出来ると思っていた。
光はアイスコーヒーを飲みながら「似合うよ、その髪」と言った。
「あ、ありがとうございます」
「敬語やめてよ。仕事中じゃないんだから。
髪も似合うし、そのワンピースもすごく似合う。さくらはどんどん綺麗になっていくな」
そうやって、自然に褒める言葉がよくもまぁ口からぽんぽんと出るものだ。
でもそれに喜んでいる自分もいて、顔が赤いのを知られないように窓に顔を向けて、外の景色を眺めていた。
「社長は…」
「だから会社じゃないんだから社長ってやめろよ~!
こんな綺麗な子連れて、社長とか呼ばれてたら俺なんか悪いことしてるおじさんみたいじゃんか~」
「だって社長は社長だし」
「光って呼んでよ。お店以外ではさ」
「ひ、かる?」
自分で言って、恥ずかしくなってしまう。
「そうそうもう1回呼んでみて~」
「光……」
「おっけぇ!夕陽!」
夕陽………。
突然呼ばれた本名にびっくりする。
ただでさえここ最近ずっとさくらと皆から呼ばれていたし、夜の世界ではお互いを本名で呼び合ったりしないし、女の子同士本名も言い合ったりしない。
それにわたしは夕陽という本名でお店に出ていたら何も仕事が出来ていなかったと思う。
仕事をしている時はあたしはさくらだから、と言い聞かせていた。そうしたら本当の自分より強くなれる気もしたし、弱くてどうしようもない自分を武装出来ると思っていた。



