「おつかれ~!」

「おつかれさま~!」

ホールのソファーに座って今日のお客さんのことについてメモっていると、着替えて上がっていく女の子たち送りの車に乗っていく子たちが徐々にお店を後にしていった。
綾乃と美優は同じソファーに座りゲームをしたり携帯をいじっている。
「真面目だなぁ~」なんてノートを覗きこみながら。

今日は仕事したな~なんて思いながら、明日連絡するお客さんをチェックしていた時だった。

「さくらちゃん」

「あ、はるなさん。今日はヘルプの席でご馳走様でした」

また嫌味のひとつでも言われるかなって覚悟をしていた。けれど、目の前に立ってるはるなは神妙な顔つきをしていた。

「今日はありがとね…」

その言葉がはるなの口から出て、びっくりしていたのはわたしだけじゃなくて、その場にいた美優も綾乃もだ。

「浅井さん、ヘルプの女の子にはきつくてちょっと困ってたの。
でもあなたの事は気に入ったみたいで、今度からはヘルプがつくくらいならさくらちゃんを場内指名したいって。
だからもし、指名入ってない時は頼むかもしれないわ…」

「ほんとぉですかー?!嬉しいですー!ありがとうございます!浅井さんって口悪いけど、素直で面白い人ですよねー!」

はるなは目をぱちくりとして、小さく笑った。
そんなはるなの笑った顔は初めて見て、不覚にも可愛いと思ってしまった。
どちらかと言えばスタイルもいいし、大人っぽい綺麗な人だと思ってたけれど、笑うと可愛いところもお客さんから人気のひとつなんだろう。