「だいじょうぶ。あのさ、さっきの社長の言ったこと確かだと思うんだよね。
あたしのお客さんも今日美優がヘルプに着いてくれたのも楽しかったって言ってた。お客さんには関係のないことなんだよね、あたしとはるなさんがいくら仲悪くたってね。
そう思ったら、わたしに出来ることだってきっとあるよ」

「さくら…」


まだ高橋は不安そうだった。

「はるなさんお願いします。　さくらさんです」

浅井もはるなもぎょっとした顔をしてわたしを見た。
はるなは何か言いたげだったが、笑顔でソファーから立ち上がり、高橋とわたしを睨みつけた。

「浅井さん、お久しぶりですね。お邪魔します」

にっこり笑い丸椅子に座り、さっとなくなりかけたグラスを手に取ってお酒を作る。
浅井は相変わらず額に汗をかいて、おしぼりでそれを拭っていた。

「お前、前にヘルプでついた…」

「さくらです。この間は申し訳ありませんでした」

にっこりと、大げさなくらいの笑顔を作り笑ってやる。
そうすべてをいつか笑い話に変えれるように。

「ふぅん…なんかあか抜けたな…」

この間と同じ、下から上までわたしをなめ回すように見て言った。

「まぁ外見だけ変わってもなぁ～…。
どぉせ指名入ってねーからここにきたんだろ。はるなは今日も忙しそうだぞ」