「もういい!!」

わたしが光の腕を掴み、光が顔を上げて、わたしを見つめる。
あの日と同じ顔。
虚ろな光の目に映っていたのは、本当にわたし?
光の本当の夢は、わたしの中にあった?

「ごめん…さくら…本当に…ごめ…俺…本当にごめんなぁ…」

繋いだ手をずっと離したくなかった。
わたしの胸の中で声を上げて泣きわめくあなたを、わたしがあの日許してあげることが出来たなら
私たちは違う未来を選べたと言うの?
でも、光が本当に許してほしかった人も、一緒に未来を見たかった人も、わたしではなかったね。
私たちはいつも、同じ場所で互いを見ているようで、その影に違う人を映していた。