【完】さつきあめ


「早く行こ!楽しみ!」

「おう!めっちゃ迫力あるぞー!」

「光見た事あるんだねー…誰と来たんだか」

「いや!夕陽と出会ってからは夕陽としかディズニー来てねぇから!」

「はいはい~!信じますよ!行こう!」

夢の国で一通り遊んだ後、私たちは少し早い夕食をとる事にした。
入ったレストランから見える空はもう夕陽が落ち始めていた。

「あ…!」

「うん?」

わたしは注文したハンバーグを見て、また笑った。

「前に一緒にディズニー来た時もあたしハンバーグ頼んだ!」

「そうだっけ?ハンバーグ好きな、お前」

「いやぁーそういうわけじゃないんだけど~…こぉ~上に乗ってる卵がミッキーの形になってるとついつい食べたくなっちゃうっていうか!」

「子供かよ」

小さく笑う光の前にはオムライス。
それを見て、また笑う。

「ん?」

「いや、思い出しちゃって。宮沢さんあんな顔してオムライスとハンバーグ好きなんだって!」

「あぁ、あの人はあんな顔して子供みたいな食いもん好きだからなー。
まぁ中身は子供みたいな人だしね」

「だよね!マジうける!
料理してる姿とか子供みたいにずっと見てるんだよ~!
ほんと笑っちゃう!」

と、言いかけて、止まる。
わたしは一体何を言ってるんだ。
どうかしてる、光といる時朝日の話をしてしまうなんて。
しかもこんな言い方をしてしまったら、まるで2人で部屋で過ごしてると言っているようなもんだ。
涼も一緒にいたのに。