「結構行ってるみたいだけど会わない?まぁあんまり長居しないたいだけど
涼くんと綾乃いい感じだと思わない~?」
「えぇ?!涼と綾乃ちゃん?!」
意外な組み合わせだと思った。
確かに冗談めかして言ってたけど、まさか綾乃が涼なんか好きになるとは思わなかったし
涼も綾乃がお店に来たなんて一言も言ってなかった。
わたしや朝日がトリガーに行くのも、ほぼ閉店間際が多かったし。
でも客観的に見ても、綾乃と涼はお似合いだ。涼の性格はともかく、容姿は綾乃とよくつり合いが取れてる。
「なぁに~?さくら、やきもちぃ~?」
「ばっ!涼になんかやきもちやかないよ!けど綾乃ちゃんが意外だなぁ~って…」
「本人は否定するけどね~!!
とりあえずさくら明日は久々の休みだし楽しんで~!!
ささ、菫さん行きましょう~!」
「じゃあさくらちゃんまた来週ね」
「あ、お疲れ様です」
更衣室から消えていく2人を見送って、携帯を取り出す。
光からラインが着てた。
「おつかれさま。
飲みすぎてない?明日大丈夫そう?大丈夫なら昼頃迎えにいくよ」
だいじょうぶ、とだけ返信した。
光がわたしから離れた時を思えば、ずっと優しくなったように思う。
光はずっと優しかったけど、最初のそれは上辺だけだったというか、今は光に愛されてるとよく感じる。
新店の準備があり忙しいだろうに、毎日連絡は欠かせないし、いまの光には女の影が少しも見えない。



