次の日、出勤時間より早めにTHREEではなく、シーズンズに久しぶりに行った。
てっきり深海はもう七色にいないと思っていたら、いつもと変わらずにバックヤードでカップ麺をすすっていた。
わたしの顔を見て、目を丸くする。

「出勤する店間違えてるぞ」

なんて冗談も言えるくらい、いつもと変わりのない深海だった。

「深海さん…どうしてシーズンズにいるの?」

「店長の俺が店にいて何が悪い」

「冗談は置いといて!シーズンズ大丈夫なの?!」

「ま社長派の何人かは飛んだだろ。
それに丁寧に辞めるって言ってきた女の子もいたな」

「何を呑気な事を~!」

「まぁ焦っても現状は変えられないってやつ?」

わたしが思ってたより、深海はずっと能天気だった。

「それよりさくらが1番に辞めると俺は思ってたけど?」

「辞めないよ!ねぇ、深海さんは光がダイヤモンドと手を組んでるの知ってたよね?!
知ってて七色に残ってるの?光なら1番に深海さんを連れて行くと思ったんだけど!」

「1番はお前だろ。
有明さんからもちろん引き抜きめいた物はあったよ。
俺と有明さんは付き合いも長いから当然だろ。 でも、俺が今雇われてるのは有明さんじゃない。宮沢さんだ」

「深海さん……」