そう考えればTHREEからゆいや凛がいなくなった事さえ、朝日を裏切った原田の策略だったようにも思える。
ゆいや凛がいなくなって、あたしもいなくなったTHREEは機能しなくなって、内側からどんどん支配していく。
原田がゆいと凜をわざと揉めさせた?それも光の差し金?
光の家へと急いだ。
光がたとえ自分のお店の為に女の子と寝ようと、今女の子と一緒にいようと、もう何も怖くないと思った。
それが光のやり方で、光は光のやり方で、朝日に抗おうとしていたのだから。
マンション前で光に電話すると、光はすぐに電話に出た。
まるで待っていたかのように。
「もしもし」
「もしもし光?あたし。今…光んちの前なんだけど…」
「ああ…。待って、今下まで迎えに行くから」
わたしが来ることを予感していたように、落ち着いた口調で電話は切れた。
数分後、光はマンションの下まで降りてきて、わたしの手を引いて、中へと入っていく。
エレベーターに乗っても、光は無言のままだった。
思わず見入るように光の顔を見てしまう。
…やっぱり似ている。光といても、朝日といても感じてた違和感が、今日真実を知った事によって全部繋がっていく。
家の中に入って、すぐにベランダの窓を開けた。
まだ生ぬるい風が部屋へと入ってくる。
初めて足を踏み入れた新しい光の部屋。
一緒のマンションの時より、少しだけ新しくて、少しだけ広い。
殺風景な雰囲気はそのままだけど、可愛らしい小物が部屋の片隅にあるのを見つけ、心がちくりと痛む。



