「綾乃ちゃん…ありがとう…。でもあたしはさくらさんとは違うよ…」
「わかってる…。あなたとさくらが違うのは…。
でもきっと、いつかさくらは困ると思ってた…」
綾乃が真剣な目をしてわたしを見つめる。
さすが兄弟と言ったところだろうか。綾乃から感じる強い視線も、光と朝日とよく似ていた。
「あたしは光が好きなんだよ?」
「じゃあ、さくらは七色グループを辞めるの?」
「……」
どうしてわたしは、綾乃の言葉にすぐにイエスと言えなかったのだろうか。
「光から聞いてたの。さくらは連れて行くって…。でもさくらが迷ってることも、光はわかってた…」
「あたしは……光と会わなかった日々の中で、宮沢さんの事を沢山知った。
光を好きな気持ちは変わらない。けど…今の光のやり方には納得言ってない…」
「さくら……」
「深海さんも言ってた…。光や皆が取り返したいのは、さくらさんがいた頃の七色グループじゃないの?
光はそれさえも簡単に捨ててしまうの?思い出のつまった場所がなくなってもいいの?」
「七色グループがなくなっても、さくらがいた頃の場所をなくしても、光が守りたかったものは、あなただったんじゃないのかな?」
光が、わたしを。
その強い想いが胸いっぱいにこみ上げてくる。
それでもこんなやり方はやっぱり納得出来ない。
「あたしは、光に会いに行く」
どこまで話は進んでいるのだろう。
光が辞めるとなれば、ついていく女の子はどれだけいるのだろう。
朝日より、現場に直接行っていた光への人望の方が厚い。
それに朝日は勘違いされやすい人だ。
由真はどうするのだろう。レイはきっと光についていく。
高橋は?深海はきっと光のところへ…。



