「それでもあいつはその男が好きらしい。
結局もう付き合えないって言われてはいるらしいんだけど、その男が新しく作る店で働くらしいよ…」
「最悪…。でもこの業界だったらよくある話だからね…。
女の想いを利用してるんだよ」
「ダイヤモンドって今そんなに力あるグループなんかな?新しく新店出すらしいけど」
「え?」
涼の言葉に耳を疑う。
「え?」
わたしと同じ言葉で、涼が聞き返す。
「涼の元カノってダイヤモンドなの?」
ダイヤモンド、新店、色管理。
嫌な予感がした。
「あぁ、ダイヤモンドグループ。ここ最近勢いのあるグループだから知ってるか」
「ねぇ、涼の元カノって…。写メある?」
「写メは別れた時に消したからもうないけど、ネットのサイトで顔出ししてるから、顔はすぐに出せるよ」
涼の携帯画面。
差し出されたその画面にくぎ付けになって、一瞬動けなくなる。
ダイヤモンドのサイトの、あるひとつのお店。
そこに妖艶に笑う女が写し出された。 わたしはその女を知ってた。
忘れられるわけがないのだ。



