【完】さつきあめ

朝日が光に何かをするのだろうか。でも光には何か考えがあるに違いない。
光は何も保証なくわたしを辞めさせるつもりはないと思う。
あの人は先を見越して行動する人だから。
あの日だって、先を見越してわたしと離れる事を決めた。
朝日に比べれば、光はずっと冷静な人間だと思う。

「そういえばさ」

「ん?」

「この間元カノがトリガーに来たんだ」

「え?!あの浮気をして涼を捨てたキャバ嬢?!」

「おま…はっきり言うなよ。まぁ事実だけどさ」

涼は話しを続ける。
その時ちょうど、美優からラインが入った。

「さくら今トリガー?今日綾乃が原田さんにTHREEに呼ばれたらしいけど、なんか知らない?」

綾乃が、原田に呼び出された?
原田が関わってる事に嫌な予感がした。

「て、さくら聞いてる?」

「うん、聞いてる。ちょっと待ってライン返す」

トリガーにいることを一旦美優へ返す。そして涼は話しを続けた。

「何かその浮気相手だった奴と別れたらしーよ」

「え?!じゃあ寄りを戻そうって涼のところにきたわけ?」

「いや…そういうつもりはねぇらしい。俺だっていまさら戻りたくもねぇし。
なんかその男は元カノの事を本当に好きだったわけじゃなくて、仕事のために利用しようとして付き合ってたぽい…。お前らの業界後で管理っつー奴か?」

「うわ、嫌な話だね」

途端に原田の顔が浮かぶ。

綾乃は大丈夫だろうか、一体原田は何の目的のために綾乃を…。