「涼は色恋タイプじゃないし大丈夫じゃない?それにボーイズバーはホストほどえぐくないでしょ?」

「まぁそりゃそうだけど…
お前、あんな事件に巻き込まれたっていうのに、えらく元気そうだな…」

「え?」

「顔から幸せオーラが溢れてんだよ!!」

涼には、光の事を話した。
美優たちには言えてないけど、何故か涼には話せた。
あまり私たちの関係性を深く知らないからだろうか。 それとも。

わたしは今回の件があって、七色グループを辞める事を密かに決めていた。
光に言われた結婚しようって言葉、もちろん今すぐって話ではないのはわかる。
それでも、もう光を失いたくないと、病院で再会したあの日思った。
光の側にいることが自分の1番の幸せであると。
けれど今の状況、凜はTHREEを辞めて、ゆいはこれからどうなるかもわからない。
それなのに、わたしがTHREEを辞めていいのだろうか、と。
話せずにいた。誰にも。

1番気になったのは、朝日だ。
あの日、朝日は光を病院に呼んでくれた。

「なぁ、やっぱ無難にアクセサリーとか」

「あ、何?!」

「お前さー、人に頼んでおいて、心ここにあらずだな」

「ご、ごめん!」

涼の手にはシルバーのブレスレットがあった。