刺されたとはいえ、腕はかすり傷程度。
3日後にはTHREEに復帰出来た。

わたしより、ゆいの心の傷の方がよっぽど深いだろう。
ゆいは1週間経っても、お店には復帰してこなかった。

「涼ーーー!!」

今日はお店は休み。
この休みに、わたしは前から涼と出かける約束をしていた。

待ち合わせ場所に、時間より早く来ていた涼は、気怠そうに待ち合わせ場所のショッピングモールの壁に寄りかかっていた。

「おう」

「早いね~!」

「何か人を待たせるのって苦手なんだよな」

その考えはとても涼らしい。

出会った日から、物凄く早いスピードで仲良くなれた。
初めて出来た男友達。私たちはとても気が合って、七色グループの事も、人には言えない事も何故か涼には話せた。
妙にウマが合う、というのはこういうことなのだろうか。

「それより、お前ケガ大丈夫なのか?」

「全然平気~!かすり傷だし!病院に運ばれたのだって、血を見たショックだったらしいよ!」

「ならいいけど。ほんっとこの仕事って危ないよなぁ…。
ホストとかでもよく刺されたって話とかも聞くし
俺意外に繊細だからこの仕事だめかも…」