「あの人に呼ばれて、目が覚めた時お前がいた方が安心するだろうって」
「………宮沢さんが?」
あの人、と光が言ってそれがすぐに朝日であるのがわかった。
「夕陽は、あの人ですぐ宮沢さんだってわかるのな」
光が困ったような顔をして笑っている。
光に会えて嬉しい。それは事実だ。
でも何で?朝日はわたしと光を引き離そうとしたり、こうやって光を呼んだり
朝日の考えている事が…全然わかんないよ…。
いや、1つわかる事はある。
「わかるよ、宮沢さんはなんだかんだ優しいから…」
「夕陽にはやっぱり伝わっちまうか…」
笑う、光の笑顔がなんだか寂しそうだった。
目が合うと、光はわたしを両手で抱きしめた。
久しぶりに感じる光の香りは何1つ変わっちゃいなかった。
「良かった…。電話もらった時、夕陽が死んだらどうしようって思った…」
「光…苦しいよ…。それにこんなケガで死ぬわけないじゃん…」
どうして、光の腕はわたしを抱きしめるの?
冷たく突き放したのは光の方なのに……。
「人なんて、どんなきっかけでいつ死ぬかなんてわかんないよ…。
お前が死んだら、俺は生きていけない…」
「ひかる…何言ってるの…?」



