「どうしよう…」
こんな時に頼れる人なんて…。
そう思って再び携帯をスクロールさせる。
とある連絡先で指を止め、震える指先で発信のボタンを押す。
その人はワンコールで、まるで待っていたかのようにすぐに電話に出た。
「なんだよ」
「宮沢さん!助けて!」
何でこの時、朝日を頼ってしまったのか、今でもよくわからない。
けれども朝日はすぐに家の近くまで来てくれて、わたしは朝日の車に乗り込んだ。
「なんか、すいません…」
今になって後悔してしまっていた。
何故あの時朝日に電話をしてしまったのか。
光に電話を出来なかったのは、わたしの中にあるちっぽけなプライドだ。…ゆいが危ない時に自分のプライドを優先してしまうなんて、本当にどうかしてる。
「いいって、こんな時だ。
それより高橋からゆいの自宅の住所は聞いたから、早くいくぞ」
車のハンドルを握る朝日からはいつものムスクの香りがしなかった。
変わりにお風呂上がりのシャンプーの匂いがして、よく見て見ればいつもセットしてる髪も何も着けずに、シンプルな部屋着姿だった。
きっと家でくつろいでいたところだったのだろう。それなのに電話1本ですぐに駆け付けてくれた…。
「どうしよう、ゆいに何かあったら…。
あたし…一緒に帰ってればよかった…。一緒にいてあげたら良かった…」
こんな時に頼れる人なんて…。
そう思って再び携帯をスクロールさせる。
とある連絡先で指を止め、震える指先で発信のボタンを押す。
その人はワンコールで、まるで待っていたかのようにすぐに電話に出た。
「なんだよ」
「宮沢さん!助けて!」
何でこの時、朝日を頼ってしまったのか、今でもよくわからない。
けれども朝日はすぐに家の近くまで来てくれて、わたしは朝日の車に乗り込んだ。
「なんか、すいません…」
今になって後悔してしまっていた。
何故あの時朝日に電話をしてしまったのか。
光に電話を出来なかったのは、わたしの中にあるちっぽけなプライドだ。…ゆいが危ない時に自分のプライドを優先してしまうなんて、本当にどうかしてる。
「いいって、こんな時だ。
それより高橋からゆいの自宅の住所は聞いたから、早くいくぞ」
車のハンドルを握る朝日からはいつものムスクの香りがしなかった。
変わりにお風呂上がりのシャンプーの匂いがして、よく見て見ればいつもセットしてる髪も何も着けずに、シンプルな部屋着姿だった。
きっと家でくつろいでいたところだったのだろう。それなのに電話1本ですぐに駆け付けてくれた…。
「どうしよう、ゆいに何かあったら…。
あたし…一緒に帰ってればよかった…。一緒にいてあげたら良かった…」



