「別に付き合ってねぇってー、凛なんか誤解してるみたいだけど、俺別に本気なんかじゃないし。
それにゆいとゆい客が揉めてたって、俺には何も関係ないし、それはゆいがちゃんとすべきことだろ?」
「何その言い方!めんどくさいから巻き込まれたくないって聞こえる!」
「うっざいなぁ…。全然ゆいなんか好きじゃないよ。
お前と一緒で、利用できる女だなって思ってただけだし…」
「大樹、あんたねぇ…」
こいつ。
話を聞いてたわたしでさえ怒りがわいてきた。
一体女を何だと思ってるんだろう。
中に割って入ろうとした瞬間、ゆいの手によってそれは遮られた。
ゆいの横顔が、無表情だった。
でも、原田と凛の前に行くと、いつもと同じ人懐っこい笑顔を見せた。
「凛さ~ん、何あたしの心配なんかしちゃってるんですかー?柄でもないなぁー、気持ちわるーい」
「ゆい…」
「ゆい、これはな…!」
話を聞かれてか、原田は焦って弁解をしようとしていた。
けれどゆいはそれを遮った。
「原田さんの言う通りですよー、別にあたしと原田さんは付き合ってるわけでもなくてーただのお互いに遊びって感じだしー
あたしだって、原田さんなんてちっとも好きじゃないですよー、原田さんとか、ありえなーい。付き合うならもっとお金のある男と付き合いますよー、凜さんじゃないんだからー…。」
ゆいの言葉に、原田は少しムッとした表情を浮かべる。



