【完】さつきあめ

「美優、さくら、おはよ」

美優と話していると、凛が出勤してきた。

「凛さんおはよー！」

あれだけ凛を警戒してた美優でさえ、最近は凛と普通に喋っている。
それだけ今のＴＨＲＥＥではゆいにヘイトが集まっていた。
実際今月に入ってからのゆいの横暴ぷりはお客さんだけではなく女の子にまで被害は及んでいて、ヘルプで着くと無理やり飲まされて、そのくせ話題には入れないと雰囲気は最悪だった。ゆいのせいで新人の女の子は泣きながら、何人か辞めた。

「凛さんも同伴じゃないんだーめずらしー」

「まぁね、美優なんか毎回出勤してきても同伴なんてしないじゃない」

「きっつ～…。今の言葉胸に刺さりましたぁ！」

「止めてよ、ぶりっ子。頭痛くなるから。
それより今出勤してきたら、ゆいとお客さんが揉めてたけど？大丈夫なの？」

「え？！」

「ほら、あのよく来る。派手にシャンパン開けていく、結構年のいってる社長」

「風間さん？！」

「風間さん～？ゆい、今日風間さんって人と同伴って店長が行ってたけど～？」

風間さん。何か嫌な予感がした。
思わず諸星に電話をかけた。
電話を掛けた瞬間に、俺も今電話かけるところだった、と諸星は言った。
風間さんの会社が倒産したらしい、とのことで、後でお店に行くと行って電話を切った。
そこでちょうど、ゆいが更衣室に入ってきた。