「呑気だなー、ちゃんと営業ラインしてる~?」
「うんうん、いつも通りって感じ!同伴はないけど指名は何組も決まってるよ!
売り上げの事もそうだけど、もう少しで宮沢さんの誕生日だから超焦ってる…」
そういうと、美優はふぅんとにやけた顔をしながらわたしの近くに寄ってきた。
「随分仲良しで」
「やめてよ!色々貰ってるから…貰いっぱなしってわけにはいかないでしょ?!
今度の休みに涼が一緒に選んでくれるっていうから、買いにいくんだ~」
「あぁ、あのトリガーのイケメンくん」
トリガー、とは涼が働くボーイズバーだ。
イケメンくんは、美優の涼の呼び方だ。
わたしの隣の椅子に座り、更にニヤニヤしながら笑顔を浮かべる。
「会長にイケメンくんかぁ~…」
「ちょっと…宮沢さんも涼も美優ちゃんが思ってるような事は何にもないよ…」
「さくらが思ってるような事はなくても、相手はわからないでしょ?
涼くんかっこいいもんね~、あたしも会いに行きたいな~!」
「じゃあトリガー行く?涼に出勤してるか聞いてみようか?」
「もぉーそういう事じゃないよ~…でもさくらが社長以外の男と関わり持つのはいいことだと思うよ!さくらずっと社長に一直線で周り見えてなかった感じあるもん。
周りを見渡せば、社長よりいい男なんて星の数ほどいるよ!」



