原田はビールを飲みながら上機嫌でわたしに話を掛けてきた。
「社長来ないみたい」
「あ、へぇ~…」
「でも会長は後で顔出すかな~って言ってたよ~」
「え?!」
わたしの反応に、原田はニヤニヤ笑った。
「さくらは本当にわかりやすいね~…。そんなんでよくキャバ嬢やってるって話。
で、結局会長と社長どっちが本命なの?」
「はぁ~?!」
原田の質問はおかしい。
光には彼女が出来て、朝日にもゆりがいる。
わたしは結局どちらの本命にもなりえない女だ。
「おかしな質問するんですね!」
「だってさぁ、会長も社長もどっちも君が好きに見えるから」
「そう見えるなら原田さんの目が節穴って事ですね!
てゆーか、あたしの事より自分の事を気にしたらどうですか?
あっちにもこっちにも手を出して平然とした顔をして信じられない!」
原田の童顔の顔が、下からわたしの顔を覗き込む。
花見でバカ騒ぎしている大学生みたい。幼くて、大きな瞳がじぃっとわたしの顔を見て、離さない。
「さくらも、俺に手を出されてみる?」
あいにく、童顔の男はタイプじゃない。
調子がいいのも好きではない。
それ以前にこの男は、はなからわたしに手を出す気もないくせに。



