「さくらー、美優ー、肉焼けたよ~!肉肉!」
はるなが遠くからわたしたちを呼ぶ。
美優がわたしの手を握り「行こっ」と言う。
「ねぇ、深海さんは?!」
ぱたぱたと団扇を仰ぐ高橋に、はるなが詰め寄る。
そう言えば、深海はまだ来てない。と、いうか真昼間の太陽の光りの下って深海には全く似合わないんだけど。
ちなみに光も来ていない。グループのイベントには必ず参加するタイプだと美優は言っていたけど、何となく来ないような予感がしていた。それは意図的にわたしを避けているようにも思えた。
「知らねぇよ!寝てんじゃね?!」
「電話してよ!」
「嫌だ!深海さん寝起き絶対悪ぃもん。心配しなくてもそのうち来るだろ」
「もぉー、使えないやつ!」
きゃんきゃんと騒ぐはるなを尻目に、高橋はお肉を無言で焼いていく。
「さくら~、お肉焼けたよ、ほい」
「あ、ども」
にこにこと笑いながらわたしのお皿へお肉を落としていくのは、原田だった。
先月ナンバー1になった事を原田は褒めてくれた。
けれどそれは本心だったかはわからない。
凜もいて、ゆいも来るであろうこの場に呑気に参加しているこの男の気が知れなかった。
自分が手を出してるお店の女の子がいる場にのこのこと顔を出せるなんて、心臓に毛が生えているとしか思えないほどの無神経ぶりだ。
…やっぱり好きになれない。



