ゆいなら馬鹿みたいと笑い飛ばして、こんな時でも連絡を送れるんだろうなって考えたら、臆病な自分がもっと嫌になった。
「じゃあねー、後でお店でねー」
夕方ゆいと別れた。
ゆいは人々の波に消えていく。その後ろ姿だけ見送っていた。
出勤すればほぼ毎日同伴をするゆい。
お客さんの方から誘われると言っていた。料理なんてしないから、ご飯が食べれて助かると。
わたしはいつもどういう口実をつけて、お客さんと同伴に行こうと考えていた。
そして今日は同伴が入ってない。最近1日でも同伴が入らない日があれば不安になっていた。バースデー月というのもあって、今月は余裕でナンバー1にならないといけないと自分に変なプレッシャーまでかける始末だ。
指名も同伴も努力しないで取れるゆいに、劣等感を抱かないかと言えば嘘になる。
でも無邪気に笑い、わたしに懐いてくるゆいを見れば、そんな事を少しでも考えている自分が恥ずかしくなる。
「さくら」
人ごみの中で、名前を呼ばれ、振り返る。
そこには1ヵ月会わなかっただけでも懐かしくなる、不愛想な男の顔がこちらを見ていた。
「深海さん!」
人の波をすりぬけて深海の元へ駆け寄る。
「なんか久しぶりな感じだな」
にこりとも笑わない、この人を見るとやっぱり安心する
「久しぶり!!お店が変わるとあんまり会わないもんだね!」
「まぁ基本は自分の店を行ったり来たりだからな。
バースデーのポスター見たよ。いい感じじゃん」
「じゃあねー、後でお店でねー」
夕方ゆいと別れた。
ゆいは人々の波に消えていく。その後ろ姿だけ見送っていた。
出勤すればほぼ毎日同伴をするゆい。
お客さんの方から誘われると言っていた。料理なんてしないから、ご飯が食べれて助かると。
わたしはいつもどういう口実をつけて、お客さんと同伴に行こうと考えていた。
そして今日は同伴が入ってない。最近1日でも同伴が入らない日があれば不安になっていた。バースデー月というのもあって、今月は余裕でナンバー1にならないといけないと自分に変なプレッシャーまでかける始末だ。
指名も同伴も努力しないで取れるゆいに、劣等感を抱かないかと言えば嘘になる。
でも無邪気に笑い、わたしに懐いてくるゆいを見れば、そんな事を少しでも考えている自分が恥ずかしくなる。
「さくら」
人ごみの中で、名前を呼ばれ、振り返る。
そこには1ヵ月会わなかっただけでも懐かしくなる、不愛想な男の顔がこちらを見ていた。
「深海さん!」
人の波をすりぬけて深海の元へ駆け寄る。
「なんか久しぶりな感じだな」
にこりとも笑わない、この人を見るとやっぱり安心する
「久しぶり!!お店が変わるとあんまり会わないもんだね!」
「まぁ基本は自分の店を行ったり来たりだからな。
バースデーのポスター見たよ。いい感じじゃん」



