「嫌な奴っていうか…まだよくわかんない…。キャバ嬢らしいキャバ嬢って感じの人だよ…」
「まぁ気が強いのは確かね。
原田の事すごい好きみたいだし、新人が嫌いらしいわよ」
「そおそお!その凛さんに毒舌吐く女の子がいてねぇ~!
ゆいちゃんって言うんだけど、めっちゃお嬢様風で可愛い子なんだけど、性格がめっちゃ面白い子なの~!!」
「あぁ。‘ゆい’ちゃん」
「あの‘ゆい’ちゃんね」
はるなと綾乃が口を揃えて言う。どうやら2人共よく知っているようだった。
「深海さんがTHREEにすごい女の子が入ってきたって言ってたわね。
メディアとか顔出しが嫌いらしくて、THREEの店長も困ってるって言ってたわ。
ふぅん、お嬢様風で可愛い子なんだ、意外。生意気な感じ想像してたわ」
「ぜーんぜん生意気な感じじゃなかったよ?!
物事ははっきり言う感じだけど、全然悪気ない感じの~?
あれは天然だねぇ。指名とか売り上げも興味ないって言ってたし~」
「たまにいるのよね、そういう子」
綾乃が煙草を吸いながら言った。
「そういう子?」
「なんてーの…?天性のキャバ嬢気質っていうの?
あたしたちって、ナンバーを目指す女の子にはそれぞれ理由があるじゃない。誰かのため、とか見栄やプライドのためってやつ。だからまぁ気の強い女が多い業界ではあるんだけど。
なんかそんなの全部興味なくて、一見やる気ないのとか思っちゃうのに妙に売れちゃう女の子」



