【完】さつきあめ


クリスマスの店内は物凄く盛り上がる、というよりかはよく見た常連さんでまったりと過ぎていく時間。
その中で指名で来てくれたお客さんに沢山プレゼントを貰った。

キャバ嬢らしいキャバ嬢のはるなは「皆に同じプレゼントねだった」と言って、高級ブランドのバックを何人かから貰っていた。ひとつは残して置いて、後は売るのだという。
美優が1番持って帰るのに面倒臭そうな大きな物が多かった。
空気清浄機に、多機能がついたオーブンなど、実用品が1番嬉しいと言っていた彼女らしくて笑った。

ちなみにわたしはお菓子の詰め合わせやら、冷凍したお肉の塊を持ってくるお客さんもいた。
サンタのコスプレも好評で、イベントだけどいつもよりまったりとした時間の中で仕事を終える事が出来た。

「さくらーこっち向いて?」

営業終了後、皆で写メを撮り合ってると、高橋に呼ばれた。
振り向いた瞬間、不意にパシャっとカメラ音が鳴る。

「ちょっと~今絶対変な顔したし!」

携帯を見て、高橋がぷーっとふきだした。

「消してよ!」

「やーだね!」

「どれ見せて、うわっ…」

深海も高橋の携帯を覗き込み、あからさまに嫌な顔を作った。

「高橋、それ俺の携帯に送っておいて」

「ちょっと、深海さんまでー!やめてよ!」

「はーいはい、まぁいいから、いいからぁ、ねぇ皆で写メ撮ろうよぉー!
深海さんも高橋くんも入って!
あ、おーい綾乃もー!」