「さくらは真面目だなぁ~」
いつの間にか隣に立っていた光が、売上表に目を落とす。
はるなと美優は楽しそうに深海と話している。
「なんかついつい癖になっちゃってて…」
「いいことだよ。この仕事に向いてるし、この仕事が好きなんだな」
「好きなのかな?好きとか考えた事なかった…。
でも仕事は楽しいよ。頑張った結果が返ってくることも、指名されると自分が必要とされてる気分にもなるしね」
「クリスマスのコスプレ決まった?」
「うん!白いサンタ!」
「それは仕事って理由つけてシーズンズに見にこなきゃなぁ…
白いサンタ、絶対似合うよ」
「えへへ~!ねぇ光は24日暇?」
わたしの問いかけに光は目を丸くする。
「いや、仕事だけど?お前も仕事だろ」
「そぉじゃなくって!仕事終わったら暇かな~って」
「例年通り仕事終わったら家に帰るだけだよ」
「じゃあ、仕事終わったら光の家に行ってもいい?!」
「おぉ…何か作ってくれるの?」
「え?!何か食べたい?!」
「てか、料理出来るの?」
「失礼なぁ~!こう見えてもいっつも自炊してるんだよ~!同伴入ってない日は~!
まぁ最近同伴続きだから、作れてないけどさ…」
「まじか。じゃあ、さくらの手料理でメリークリスマスだな。
俺、ケーキとシャンパン用意しとくよ。シャンパンって言っても子供が飲むジュースな。
お前お店で飲みすぎて酒なんか飲めないだろうし、弱ぇーし、すぐ吐くし」
「うるさいなぁ~!!そんな飲みすぎないもん!」
「はいはい。まぁ料理も期待しないで待ってるわ」



